2023. 2. 18

お茶と霜と防霜ファン

こんにちは、ミナです。

■お茶と霜

先日の朝の茶畑の様子です。

最近は暖かく10℃を超える日もありますが、畑のある矢部村は標高約600mの場所に位置する為、朝晩はまだまだ寒く朝にはこんな風景がみられます。
緑色の茶畑が一面、白くなって、太陽に当たったところから霜が解けていきます。
一面に霜が降りて綺麗だなあと見惚れていましたが、お茶農家にとって春の霜は大敵です。
冬の時期はお茶の木は休眠に入る為、古葉(新芽ではなく硬貨した親葉)は、霜が降りても凍り付いて枯れることはありません。
今の時期はまだ影響ありませんが、暖かくなった春先、新芽が動き出す頃に、霜が降りてしまうと水分を多く含んだみずみずしい新芽は、凍ってしまいそのまま枯れてしまうのです。

■お茶と防霜ファン

そこでお茶畑には防霜(ぼうそう)ファンという大きな扇風機が設置されています。
寒くなると「放射冷却」といって、地表の温度は冷えますが、一方、茶畑の地上6~7m辺りには、「逆転層」という温かい空気の層ができます。
防霜ファンは、逆転層を利用して地表に吹き付け、茶畑を温めるのが仕事です。
低温を感知すると自動的に稼働するように設定してあり、通常回り始めるのは温度が下がる夜間~明け方頃です。

初めはこのファンがあの広大な茶畑を守る事が出来るのかなあ、、大丈夫かなあと半信半疑だったのですが、
実際にまわり始めると、ごおおぉぉぉぉおおおーーーっという音と共にちゃんと強い風が吹き始めます。
それは想像をはるかに超える程の風量で、これなら霜からお茶を守ってくれる!と実感しました。

現実的にはそれでも霜被害を受けてしまうことはあります。
昨年も一部の畑で被害に遭い、茶摘の日に覆いの中から枯れた茶の芽を見たときのあの気持ちは忘れられません。

防霜ファンを設置・維持するにはかなりのコストがかかりますが、
沢山の茶畑を霜の被害から守るためには、防霜ファンは茶農家にとって必要不可欠な存在です。

千代乃園の茶畑は山の中に点在している為、ファンが回っている時間にはなかなか出合わないのですが、
茶畑の近隣に住んでいる方からすると、4月~5月の時期は、明け方にごおおぉぉぉぉおおおーーーっという音と共に起床せねばならず、なかなかのものだそうです。

みなさんも、機会がありましたら4月~5月頃新芽が出る季節に茶畑を覗いてみて、
防霜ファンの威力を体感してみてください!


参考:日本茶マガジン
https://nihoncha-magazine.com/?p=3265
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