2024. 7. 4
釜戸の様なカウンターできました。
茶寮千代乃園の店内にお茶を入れるかっこいいカウンターが欲しいと思い続けはや2年程。茶寮店主の内装に対する解決策の分からない強い拘りを、地元の大工さんにぶつけたところ想像以上にピッタリのカウンターを提案していただき、今年の4月、ようやくカウンターが出来上がりました。
ツヤっとした質感のカウンターは、土塗り、磨きという釜戸と同じ技法を使い、左官さんによって塗りが重ねられました。
千代乃園の71年前に作られた一番古い茶畑から4種類の土を上塗りの土に混ぜ込み、調色しています。又、上塗りには質感の調整の為、茶葉も少量混ぜ込んで頂きました。
古くからあって懐かしいのに、なんだか新しくも感じる土の質感。
このカウンターでお茶を入れると、原点である茶畑を感じることができる気がしています。
土塗りとは、コテでしっかり抑えながら艶を出す磨きという技法です。
土台を建てた後「粗塗り」「大直し」「中塗り」「上塗り」と4度塗りが重ねられます。
各塗りを重ねていく過程にはしっかりと乾燥させることが必要なので、制作には乾燥期間を含め1ヶ月ほどかかりました。
大工さんからは、土塗りは昔からある技法ということで時間がかかってしまうのはネックになることが多いと聞いていました。
カウンターの土台を店内に組んでいただいたのですが、乾燥期間中もお店は営業し、
それぞれの塗り段階の変化や土の匂いををお客様も一緒に楽しんでいただくことができ寧ろ良かったと思いました。
土を乾燥する過程も、このまま完成でいいんじゃないかと思うほど美しかったです。
写真を少しご紹介します。
●八女材軸を作った枠組み。土壁と同じ、竹と麻縄の下地。
●粗塗り
泥と藁を混ぜて数ヶ月間発酵させた土。独特の発酵の匂いがします。
●粗塗り一週間程乾燥後
●大直し
粗塗りよりキメの細かい土
●上塗りに使う土の採取
上塗りには茶畑の土を混ぜ込みました。園主と左官さん大工さんで茶園に向かい、一箇所の茶園から数種類の土を採取しました。
土を採取した茶園は、農園園主の父(2代目園主)が20代の頃に作った71歳の茶園。
●上塗り
防水の為蜜蝋を塗った後の表面
大工さんや左官さんも土塗りのカウンターの製作は初めてだそうで程度は未知数ですが、釜戸と同じように数年おきのメンテナンスは必要になるとのことでした。劣化の過程も味として楽しんでいきたいと思います。
馬場建設様、ありがとうございました。
馬場建設 Instagram
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